KAGURAZAKA・想い
節目となる10回目、田口屋生花店さんからバトンを受け取られたのは、「翁庵 そば店」の会田きみ子さんです。
神楽坂通りの入り口でお店を構える、明治17年創業の翁庵さん。老舗蕎麦屋さんとして街の趨勢を見守ってきた名店に、他では聞けない貴重なお話を伺いました。
神楽坂通りの入り口でお店を構える、明治17年創業の翁庵さん。老舗蕎麦屋さんとして街の趨勢を見守ってきた名店に、他では聞けない貴重なお話を伺いました。
多くの人に愛される「かつそば」の魅力
お店は昔懐かしい雰囲気が漂い、手書きのメニューが蕎麦屋さん特有の親しみやすさを感じさせます。
翁庵の名物である「かつそば」をいただきながら、この意外な組み合わせのメニューについて伺いました。「学生やサラリーマンにお腹いっぱいになってもらいたい」と思って、試しにそばの上にかつを乗せてみたことが始まりだと、御年84歳になる会田さんはおっしゃいます。和洋折衷、驚くほど食べやすい一品。長年愛されてきた理由が身に染みてわかりました。
コロナ禍以前は創業の5月5日にちなんで、5のつく日にかつそばが500円で食べられる感謝デーも開催していました。美味しさもさることながら、多くの人にかつそばを食べてもらいたいという思いにこちらも感謝の気持ちでいっぱいです。
50年前から変わらず続く、地域ならではの名物メニュー。その味はこれからもずっと、神楽坂に訪れた人々の身も心も温めてくれるのでしょう。
明治から令和へ、ご商売にかける想い
明治や大正という激動の時代を経て平成から令和へ、翁庵はずっと神楽坂で生そばを作り続けてきました。優しい味の冷奴や、そばに添えられているお野菜は長い間神楽坂地域のお店から仕入れているそうです。昔からのつながりを大切にしているのですね、と聞くと、「人を大事にして生きていくこと」。これが商いをする上で心に刻んでいることだと会田さんはおっしゃいます。関わってきたすべての人にご縁があると思うこと。どんな人も大切にすること。そう話す会田さんの言葉に芯の強さと真心を感じました。
時代は変わっても、人との結びつきは変わりません。翁庵のそばを喜んでくれることが何よりの喜びだとまっすぐ語る会田さんにこちらも温かい気持ちになりました。
次回はどなたが神楽坂の人と人を繋げてくれるのでしょう。どうぞお楽しみに。
翁庵 そば店 会田さん
オススメの"神楽坂土産"
紀の善
抹茶ババロア
老舗甘味処の一押しメニューです。
あんみつなども食べてみてください。
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