東京平版株式会社
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KAGURAZAKA・想い

「神楽坂想い」もリレーを継いで14回目を迎えました。
今回お話を伺ったのは、創業76年を迎える和菓子の銘店「五十鈴」の二代目店主・相田茂さんと奥様の雅世さん、長男で三代目となる泰孝さんです。
初代の熱意を受け継いで和菓子の魅力を伝え続け、四季折々の和菓子を幅広い年代の人たちや外国人にも楽しんでほしいと願う二代目、三代目の想い、そして”神楽坂愛”をお聞きしました。

初代の熱意が生んだ看板商品「甘露甘納豆」

店頭で試食ができる「甘露甘納豆」

初代店主・相田利市さんが神楽坂の現在地で甘味喫茶を創業したのは戦後間もない昭和21年。物がなく生活が苦しい中、おしるこ、あんみつ、かき氷などが食べられる「五十鈴」は、甘味でひと時の安らぎを求めるお客様で大いに賑わいました。

当時、一人で店の接客と販売を担っていたのが利市さんの妻・キクノさんでした。

その後、利市さんは腕の良い和菓子職人を各方面から集めて和菓子店を始めます。住み込み職人と販売スタッフ、お手伝いさんなども含め十五名が住み込みで寝食を共にし、その中で幼少期を過ごした二代目・茂さんは、まるで大家族のようだったと話していました。

利市さんは和菓子職人ではありませんでしたが、新商品開発への熱意は職人以上で、1年の歳月を費やして完成させたのが、今も五十鈴の看板商品となっている「甘露甘納豆」です。

この時に費やした小豆と砂糖の量は計り知れなかったといいますが、その熱意と技術は時代を経て着実に受け継がれています。

平成2年、先代と二代目が将来を見据えて和菓子屋販売専門店の一本化を決断。甘味喫茶のスペースを和菓子の工場として増設しました。雅世さんは、お客様で大変賑わっている店を閉めることは惜しいと思ったそうです。

今となれば、隣接する工場から熱々の炊きたてのお赤飯やお餅つきたての豆大福、お団子を朝からお届けできるのがお客様にも喜ばれていると雅世さんは嬉しそうです。


時代を越えて受け継がれる「五十鈴」の真髄

季節限定商品「栗むし羊羹」
9月〜12月のみ販売

現在、和菓子の原材料である小豆、砂糖、小麦粉、栗などが軒並み高騰している影響もあり、納得がいく品質の良い材料を集めるためには、大変な手間と労力がかかります。

しかし、先代からの教えとして、手間暇は惜しまない、当たり前のことを当たり前にする、目に見えないことが大事なことであり、それを粗末にするといいものはできない、と茂さん。

だからこそ、材料へのこだわりと吟味なくして良いものはできない。

この想いは時代を越えて受け継がれ、五十鈴の真髄となっているのです。

平成生まれの三代目・泰孝さんは、神楽坂のお客様は味にも香りにも敏感で、材料の質を落とせば途端に離れてしまう。このような厳しい状況下であっても、知恵を絞り毎日の和菓子作りの中での気づきや発見を通し、製造技術を向上させて五十鈴の味を守り続けていきますと力強く語っていました。


世界が認める神楽坂から和菓子の魅力を発信したい

家庭画報11月号 手土産特集
取材された記事の一部

海外の観光ガイドにも取り上げられ、世界が魅力ある街として認めた神楽坂は、和と洋が混在した独特の風情があり文化の香りが漂い、とりわけ食に関してはレベルが高いと言われます。

それぞれがこだわりを持ち専門性が高いお店も多いため、今後も外国からのお客様が益々増えてくるでしょうと雅世さん。

外国の方々はもとより神楽坂を訪れた方々にどう神楽坂の魅力を伝えるか、どう和菓子の素晴らしさを知っていただくか、五十鈴なりにさまざま視点から発信できるよう取り組んでいきたい、と話す泰孝さんの頼もしい姿が印象的でした。

こうして人や街を想うバトンがまた渡されていきました。次回もどうぞお楽しみに。

相田 雅世さん
オススメの"神楽坂土産"

美しい和陶器

神楽坂にいらしたら、丸岡陶苑さんを覗いてみてはいかがですか。
当店でも、甘露甘納豆の試食用の器(有田焼)として愛用しております。
日々の食卓で楽しめる器をはじめ職人仕事の美しさが感じられる器など、多く取り揃っていますよ。
おしゃれな手土産を見つけてみてください。

五十鈴

〒162-0825
東京都新宿区神楽坂5-34五十鈴

TEL:03-3269-0081
URL:https://www.ryukoutei.net/

五十鈴

〒162-0825
東京都新宿区神楽坂5-34五十鈴

TEL:03-3269-0081
URL:https://www.ryukoutei.net/

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