神楽坂想いも11回目を迎え、リレーも盛り上がってまいりました。
今回お話を聞かせてくださったのは「かつのとうふ」の佳以さんです。
手作りのお豆腐やがんもどきのなどの豆腐商品を取り揃えており、翁庵 そば店で出されているお豆腐のつながりからその美味しさにも迫ってきました。
深紫の暖簾が印象的なとうふ専門店
ショーケースに並ぶ豆腐製品
神楽坂通りを少し逸れた裏路地、小栗通りにかつのとうふはあります。こじんまりとした構えの店先にある暖簾をくぐると、ショーケースの中にこの店の名物「がんもどき」や季節のフルーツシロップと一緒にさっぱりとした味わいを楽しめる「ソイプリン」などが並びます。おかずやスイーツなどの豊富な品揃えの理由は、豆腐を世代や人種関係なくたくさんの人に食べてほしいからだと、豆腐マイスターの佳以さんはおっしゃいます。手作り豆腐教室の開催や近隣の津久戸小学校で体験授業を行うことで、豆腐の魅力や価値を広める活動を行なっており、SNSの更新も欠かさないその姿勢からこのお店を守り続けたいと前を向く心意気が感じられました。
受け継がれる技術と時代の変遷
豆腐作りに欠かせない型箱
店頭にあるチェック柄のテーブルクロスの上には、外はさくっ!中はふわふわの「おからスティック」や「おからボール」が並びます。そして、その近くには普段見かける機会もないであろう木やステンレスの型箱が置かれていました。豆腐作りのために使い込まれたその道具たちが、昔から神楽坂地域の食を支えていたことを教えてくれます。
神楽坂は花街としての歴史も深く、数多くの料亭が存在していました。提供する料理は何一つ妥協することは許されません。そんな中、手作りにこだわり続けて半世紀以上というかつのとうふに、ものづくりのプロフェッショナルを感じ頭が下がります。
一つのチームとしてとうふを守り発展させていく
豆腐(木綿:左 絹:右)・厚揚げ・がんもどきと京がんも
かつのとうふが一番大切にしていることが「豆腐を真面目に作ること」です。いろんな商品があっても何よりそのベースにあるのは昔ながらの豆腐であり、一つ一つ妥協しないで作り続けることを常に意識していると佳以さんは話します。「今後は他の飲食店とSNSで繋がってコラボしたり、外国人向けに新しい商品を作ったりしたいですね。」と笑顔で語る佳以さんから明るい未来を感じることができました。
取材後、常連さんがそれぞれの入れ物を持って豆腐を買いに来ている光景を目にし、これこそが地域に根付くお店の良さなのだと感慨深い気持ちになりました。その人にしか作れないものやその場所でしか手に入らない価値をこれからも作り続けていってほしいと願っています。
神楽坂を想うバトンが次のお店へ渡されていきました。次回もどうぞお楽しみに。
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