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KAGURAZAKA・想い

第12回 神楽坂店主リレー取材:神楽坂想い

日本の文化を感じられる銭湯を守り続けていきたい

熱海湯

吉田 明美さん

順調にリレーを繋いでまいりました神楽坂想いは12回目を迎えました。
今回お話を伺ったのは「熱海湯」の二代目店主 吉田浩さん・明美さんご夫婦です。

前回取材したかつのとうふさんのお隣で銭湯を経営されている熱海湯さん。昭和情緒あふれるお風呂屋さんに、ご商売や街の想いを聞いてきました。

日本建築と煙突が目を引く街の銭湯

格子天井が印象的な脱衣所

熱海湯さんは小栗通りにお店を構えて半世紀以上を誇る銭湯です。

千鳥破風という重厚な建物の暖簾をくぐった先には、格子天井の脱衣所が広がっています。驚くのはその広さや解放感だけではありません。使用されている木は熱海湯が建ってから今日までずっと建物を支え続けていると、二代目店主の吉田さんはおっしゃいます。

近代の温泉施設とはまったく異なった昭和レトロな印象に、改めて銭湯の良さを感じました。

戦争後の復興に専念したお父様が銭湯の経営を任され、その意思を継いで今も元気に熱海湯を守り続けている吉田さんのご苦労と努力が垣間見えました。

街の銭湯を守るということ

浴場一面に広がる春の富士山

浴場には、壁一面に描かれた富士山の絵が堂々と広がっています。

銭湯絵師の中島盛夫さんに描いてもらった春の富士山で、その壮大さと桜のコラボレーションが訪れる人をいつでも富士の麓に旅させてくれるのだなと感じました。

銭湯には大きくて立派な浴槽や、どこか味のあるカランや桶など、そこでしか味わえない良さがあります。時代の移ろいとともに利用する客層にも大きな変化はありましたが、いつまでも変わらないのは銭湯という安らぎの空間です。

神楽坂にはこのような「心も体も温まる場所」があることを知ってもらいたい、そしてこれからもひたすらに銭湯や日本の文化を守っていきたいと吉田さんご夫婦は語ってくださいました.

 

銭湯が紡ぐ日本文化

男湯脱衣所横にある鯉の池

銭湯の最大の魅力は、分け隔てないコミュニケーションが取れることだと吉田さんはおっしゃいます。

地域の方々が集まる場所で、同じ時間に同じ人と顔を合わせることで自然と生まれるのが、「今日は何があった」「最近の調子はどうか」などのとりとめもない会話です。内容はなんでもよくて、お互いの名前すら知らないこともあると言います。

お客さん同士集まって野球や競馬を見て盛り上がったり、世間話をしたりすることで目に見えないつながりが生まれることが嬉しいと、吉田さんご夫婦はお話ししてくださいました.

こうして人や街を想うバトンがまた渡されていきました。次回もどうぞお楽しみに。

熱海湯

〒162-0825
東京都新宿区神楽坂3-6
TEL:03-3260-1053

URL:https://www.1010.or.jp/map/item/item-cnt-322

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