東京平版株式会社
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大胆で繊細、のびやかに —篠田桃紅展—

こんにちは
メディアコンテンツ部の山岸です。

5月も終盤、
日の出の時間も早くなり、
日の光で目が覚めるのは嬉しいですね。
週末は快晴が心地よかったですが、
梅雨までの貴重な晴れ間になると思うと、少し悲しくもあります。

今回は オペラシティ で開催されている。
篠田桃紅展
をご紹介します。


篠田桃紅(1913−2021)は、
女流書道家としてのキャリアをスタートし、
自身の表現を追求し、ジャンルとしての、書(文字)、絵画(形態)の領域に囚われず、
独自の抽象表現を確立した画家です。

作品は、初期は書道から始まり、表現を重ねる過程で、
書(文字)から形態的(絵画)な要素を持ったものに変化してゆきます。
表現が書から抽象絵画に変化してゆく様子は
鑑賞のする中で、感覚や意識の広がりを感じることができます。

 

色彩は、
墨、朱、和紙を素材とした、書、絵画と
エッチング技法の版画が主になっています。

墨と和紙の
モノトーン の厳選された、色彩の中での、
滲み、ぼかし、大胆な筆致、細いラインの重なり、
エッチングの黒の色幅での、墨のグラデーションが、白い和紙に広がっている様子は、
徐々に明るくなっていく、日の出までの時間や、
日向と日陰の変化を感じさせ、
自然の、スケールの大きな時間や性質を含んでいるようです。

 

作家(作品)の表現の深まりは
大胆で繊細という言葉がぴったりでした。
今回は、作品の保護の関係で撮影が不可でしたが、
大胆かつ繊細な、作家の表現活動の広いスケールの中で生み出された作品からは、
新鮮な体験ができ、刺激になりました。
是非、実際に足を運んでみてください。
オペラシティアートギャラリーで
6月22日(水)まで開催中です。

篠田 桃紅 (Toko Shinoda)展
2022.4月16日-6月22日
東京オペラシティ アートギャラリー