東京平版株式会社
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人間国宝 加藤孝造陶展図録(280線印刷)

営業部の石川です。
今回は「加藤孝造陶展」の図録の制作について。
こちらは撮影から制作、印刷加工までに携わらせていただきました。
2010年に美濃焼の技法「瀬戸黒」で国の重要無形文化財保持者(人間国宝)となった
陶芸家 加藤孝造先生。
昭和を代表する陶芸家で人間国宝の荒川豊蔵(1894~1985年)に師事。
美濃桃山陶の伝統を受け継ぎながら、独自の表現を追求してきた先生です。

 


図録用撮影風景

 


表紙はグムントゴールドFS シャンパンゴールドに金箔押しの装丁

 

作品のディテールを表現する為に印刷線数についてちょっと触れてみます。

印刷線数が高ければ高いほど写真を表す一つの網点が小さくなり、
より精密に作品の細部を表現することができ、きめの細かいクオリティの高い印刷物になります。
※175線であれば、1インチの中に175個の点で表現されているということになります。

つまり280線は1インチあたり280個の点で成り立っているという事。
逆に印刷線数が低いと網点が目立つようになり印刷が粗い印象になります。


175線


280線

具合的にはこんな網点の大きさのイメージなります。
 

 

瀬戸黒は鉄分を含む釉薬(ゆうやく)をかけた器を、
高温になった窯から真っ赤に焼けた状態で引き出し、水で急冷する。
すると表面が艶やかな黒に染まる。
タイミングの見極めが重要で、一度の焼成で数点ほどしか作れません。
世界で類を見ない技術、黒は茶の緑に最も映える。
だからこそ引きつけられてやまない吸い込まれるような黒に魅了されます。

 



<この図録は280線使用の印刷なので、質感等の技法が細部にわたり忠実に再現され、 とても迫力のある図録に仕上がってます。   日本を代表する陶芸を、印刷物を通して現代に発信することが私たちに課せられた責務であり、 陶芸の健全な発展に少しでも印刷会社として今後も寄与できればと思っております。   「加藤孝造陶展」
2022年12月7日より12月12日まで
日本橋三越本店 本館6階 美術特選画廊
 
日本が誇る伝統工芸、加藤孝造先生の陶芸の世界を、是非この機会に感じて下さい。
そして、美しい仕上がり、こだわりの仕上がりをお求めであれば、
東京平版美術印刷課に是非お問い合わせ下さい。