東京平版株式会社
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上毛電鉄(群馬県内を走るレインボー電車)

こんにちわ。営業の久保です。
今回は群馬を走る鉄道をご紹介します。

上毛電鉄は1928年(昭和3年)に前橋市の『中央前橋』と桐生市の『西桐生』
を結ぶ25.4Kmで開業した全線単線の電気鉄道です。
現在は全23駅で、『前橋中央』『江木』『大胡』『粕川』『赤城』『西桐生』
以外は無人駅で電車はワンマン運転です。
他社線とは『赤城』で東武桐生線と接続しています。
『中央前橋』はJR前橋駅と1Kmの距離でシャトルバスが連絡しています。
『西桐生』とJR桐生は徒歩5分、『桐生球場前』とわたらせ渓谷鉄道運動公園
も徒歩5分程で乗り換えができます。

では『西桐生』から出発しましょう。


昭和3年開業時建造の欧風建築の駅舎です。
今見てもモダンで立派な建物です。待合室も広くとても落ち着いた雰囲気です。
日本の駅100選にも選ばれ、国の登録有形文化財にもなっています。

ホームには水色の6号編成が到着しました。
車内にはこんなご案内が。
そうです。上電では運賃のみで車内に自転車を持ち込めるのです。
地元の人には嬉しいサービスですね。
トップの写真は車内から降りる乗客と改札業務をする女性運転士です。

次の『丸山下』です。
上電の無人駅は屋根がプラスチック製のものが標準となっているようです。

『丸山下』〜『富士山下』で清流渡良瀬川を渡ります。
緑色の1号編成が渡っていきます。
この開業からの鉄橋も登録有形文化財になってます。

3つ目の『富士山下』(ふじやました)です。
静岡でもないのに富士山?
実は江戸時代に富士山信仰が流行り、現地まで行けない庶民のために、
富士山の溶岩などを持ち帰り、小さな山(富士塚)を作り神社を置いて
信仰の対象とすることが、関東一帯で見られました。
ここの駅前にもその富士塚があることから、この駅名になったそうです。

4つ目の『桐生球場前』です。
取材2日目はあいにくの雨天でした。
ここは上電でもっとも新しく、平成18年開業です。
黄緑の7号,ピンクの5号編成がやってきました。
電車の隣にもう1本の線路があります。一見複線のようですが。

東武特急りょうもうが通過していきます。
ここは東武桐生線の線路なのです。
この線は大手私鉄の東武でも普通列車はいまでは少なくなった
8000系がワンマン2両編成で走っています。
隣の『赤城』まで並走します。



5つ目『赤城』です。東武と共用駅です。
以前はここから東武車が『前橋中央』まで乗り入れていたそうです。


『新川』(にっかわ)〜『新里』

10番目『粕川』です。平成16年に改築された駅舎で、
時間限定で駅員さんがいます。
駅前にはパーク&ライドの駐車場があります。

『粕川』『新屋』間で粕川を渡ります。
黄色の4号,黄緑の7号編成が来ました。

12番目の『北原』です。駅前に商店は見当たらず、住宅の中に
ぽつんとあります。
ホーム脇の路地をデマンドバスがやって来てお年寄りを乗せて出発してゆきました。
この沿線には(電話でバス)と呼ばれるデマンドバスや乗り合いタクシーが
利用され、行政のサービスの一端を見ることができます。

13番目『大胡』(おおこ)です。ここに電車区、変電所が
あります。ここの駅も開業時のもので、駅舎、電車庫、変電所
が登録有形文化財に指定されています。


そしてもう一つ。上電一の名物(デハ101)です。
開業当時から生き残っているヌシです。昭和3年生まれの
88歳でまだ本線を走れる資格を持っています。
通常の運用には就きませんが、イベント等では走行する姿を見る
ことができます。なお群馬県の近代化遺産に登録されています。

さてここで、現在走っている車両をご紹介します。
すべて700形で2両編成が8本です。
昭和38年から製造が始まった元京王電鉄3000系を改造し、
平成10年11月から12年12月にかけて導入して運用されています。
上電初の冷房車として人気がでました。
京王時代も前面上半分の色が7色あり、レインボー電車と呼ばれていましたが、
上電に来てからは色の変更があり、京王時代よりも1色増えて8色になりました。

上電ではデコトレインとして風鈴電車、お祭り電車、水族館電車
ハロウィン電車など季節に合わせて車内を装飾した楽しい電車が走っています。



1号編成(風鈴電車)


5号編成(お祭り電車)

さて先に進む事にしましょう。
『大胡』を出ると田園風景から徐々に住宅が増え、
前橋市街が近いことが感じられます。


終着の『前橋中央』です。
線路脇を水量豊かな広瀬川が流れていて心地良い風景です。駅舎も近代的です。
駅前はさすがに賑やかで、バス路線も多く来ているようです。
ここから前橋まで出て、JRでも帰れるのですが、
お得な1日乗車券(1,300円)を持っているのでのんびり『赤城』
まで戻って東武を乗り継いで帰る事にしました。

全線乗って片道38分。日中は30分間隔で乗りやすいダイヤです。
沿線には温泉,牧場,ドイツ村、昆虫の森,フラワーパークなど
家族で楽しめる名所が沢山あります。
一度出掛けられてはいかがでしょう。

ではまた。久保でした。