東京平版株式会社
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「データ通りの色でお願いします。」という会話がよくあります。
もちろんその時は「はい、分かりました。」と気持ちよく返事をします。

 

でも、データ通りの正解の色って何なのでしょうか?
私の知る限りでは、印刷での正解の色というのはないと思います。

 

印刷会社の人間がこんな事を言うのはどうかとは思いますが、たとえば同じデータを印刷会社10社に渡したとして、100%同じ印刷物があがってくる事はまずないでしょう。
印刷物を作るにあたっては、設備や資材、環境などによって変動する要素があまりも大きいからです。
問題なのは、その基準がその印刷会社ごとに決められているところだと思います。
だから、本当に正解の色かどうかは客観的には判断できないのです。

「これって、どうなの?」

普通に考えれば、どこの印刷会社に発注しても、おおよそ同じで正しい印刷物があがってくるのが当たり前だと思いますよね。
でも、そのためには印刷会社での『印刷色の標準化』が必要となってくるのです。

 

そこで誕生したのが『JAPAN COLOR 認証制度』です。

 

ちょうど3年前の平成21年10月に、印刷色の標準となる『JAPAN COLOR 認証制度』というものがスタートしました。
簡単に言うと『印刷色の基準となるものに対し、一定の範囲内の誤差で色管理をしていきましょう』といったものです。
この基準内で印刷されたものであれば、だいだい同じモノが上がってきて、『データ通りの正しい印刷物』と言える事が出来るのではないかと思います。

実はこの『印刷色の標準化』というのは、制作・製版・印刷と分業生産されているところでは、とても重要な意味をもっています。
東京平版では直請けだけではなく、多くの印刷会社様から製版・校正といった仕事も請けており、下版したデータが校了紙通りうまく刷れないといった問題が度々発生していました。
フィルム製版の時代でしたら、刷版時の焼き加減で微妙な濃度調整をしてきたのですが、CTPとなりますとデータより版が直接つくられるため、その版の出力設定と印刷機のコンディション次第で出来上がる印刷物が違ってきてしまいます。
これを解決するには、印刷現場とのカラーマッチングを図る以外に方法はありません。

 

そこで東京平版では『JAPAN COLOR の標準印刷色』を基準にカラーマネジメントを行なうことにしました。

先ず『JAPAN COLOR 標準印刷認証』と『JAPANCOLOR プルーフ運用認証』と取得し、平台校正も含めて社内全体を『JAPAN COLOR』に基づいたカラーマッチングを施しました。
その上で、お取り引きのある印刷会社様に対して JAPAN COLOR 基準でのカラーマッチングによる印刷色の標準化を提案していく。
データのみで印刷原稿がやり取りされるようになった現在、印刷色における大きなトラブルを避けるためには、印刷会社間でのインフラ整備が不可欠であると考えます。
東京平版でも、しっかりとした色管理のもと安心した印刷用データの作成に、これからも積極的に取り組んでいきたいと思います。

 

具体的なカラーマネジメントの方法は、また次回に説明します。(佐々木)