東京平版株式会社
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電車の転勤族

ゴールデンウィークも終わってしまいましたね。
営業部 久保です。
GW期間中お出かけになった方も多いと思います。地方で見かけた電車にふと懐かしさをおぼえたことはありませんか?どこかで以前見た事があるような………。
そうです日本各地の中小私鉄には少し前まで大手の私鉄で走っていた電車が転勤していることが多いんです。そんな転勤族の一部を追いかけてみましょう。
今回取り上げるのは西武電車の新101系という電車です。


西武新101系は昭和52年から製造が始まった3ドア,ロングシートの通勤電車です。特徴は秩父の山岳路線用に強力なモーターと山岳用のブレーキを持ち、都心から山まで走れるオールマイティーな電車で2両編成と4両編成があります。
この電車が今はどこにいるのでしょうか。

ここは千葉県の流山市です。流鉄流山線には
2両編成5本が5000形として働いています。わずか5.7Kmの路線です。全ての編成が違う色に塗装され、それぞれに愛称が付けられています。社内は西武時代とほとんど変わらないロングシートですがなんともカラフルで楽しい鉄道です。

さて今度は北へ向かって群馬県の上信電鉄です。高崎から世界遺産で有名な富岡製糸場のある富岡を通って下仁田まで行く33,7Kmの路線です。西武鉄道とはなじみがある会社で左に写っているのは元西武の401系の150形です。ここでは2両編成2本が500形として働いています。ここも全線単線でとにかく揺れますがそれがまた楽しいのです。終点の下仁田は駅舎がレトロでとてもいい感じです。

富士山がきれいですね。ここは静岡県伊豆箱根鉄道駿豆線です。三島から修善寺まで19.8Kmを走る路線です。ここは西武系列の会社で新101系の4両編成の半分と2両編成の半分ずつを繫げて3両編成としたものが2本働いています。JRから特急『踊り子』が乗り入れておりJR車や自社発注の車両と元西部車などバラエティーに富んだ電車が走っています。

最後は西武鉄道と最も密接な秩父鉄道です。
西武秩父駅は秩父鉄道お花畑駅に隣接しており、平成元年に連絡線を作って直接乗り入れをしています。西武車の片乗り入れですが毎日秩父鉄道の線路を西武車が走っています。新101系も以前は乗り入れていました。
そんな新101系が秩父6000系として走っています。6000系は有料急行です。200円の急行料金がかかります。3ドア通勤車の中央のドアを塞いで2ドアにし,シートは西武特急レッドアローの中古品を取り付け立派な急行形に大変身です。
さらに4両編成ではキャパが大きすぎるため中間の電動車(モーターを積んだ車)の端をバーナーで焼き切り,先頭車(モーター無し)の運転台部分を切り取ってきて溶接で繋ぎ合せて3両編成にするという荒技で出来た車両です。もちろん強度的にも見た目にも問題ありません。左上の塗装は昭和後期の秩父鉄道のオリジナル塗装の復刻版です。東京から一番近いSLが走る路線としても楽しめますよ。
ちなみにここへ来ると元東急2系列と元都営地下鉄とも会えます。

そのほか滋賀県彦根市の近江鉄道へ16両、三重県四日市の三岐鉄道へ5両の新101系は転勤しています。

日本全国いろいろなところで転勤族が働いています。出かけた先でちょっと気にかけてみると思わぬ発見があるかもしれませんよ。ではまた。久保でした。