東京平版株式会社
Facebook twitter

今回で32年目

新年あけましておめでとうございます。
2015年初ブログを担当します営業部の石川です。
本年もよろしくお願いいたします。

今回紹介するのは、東京平版が長年に渡って
撮影から製本まで一貫して制作に携わらせていただいております
日本伝統漆芸展の図録についてです。
なんと、今年で32年目のお付き合いになります。

皆様の日常において漆芸といっても
あまり馴染みの無いものと思われる方も多いかもしれませんが、
漆芸は世界に誇れる日本工芸の代表と言えます。
お椀やお箸やお重箱の塗り物の食器など、
実は漆は我々日本人の生活にとけ込んでいる身近なものです。

漆器の魅力を印刷物として最大限に伝える際、
決め手は、やはり撮影です。
伝統工芸の漆の重い質感を出すのに、
淡い照明を駆使して光と影を作りだします。
あとはそれを製版技術で忠実に再現しなければなりません。

このような感じで撮影します。
朱漆だけを塗り重ねたものを堆朱、
黒漆だけを塗り重ねたものを堆黒というように、
塗り重ね方による呼称があり、
このように柄がない作品はカメラマン泣かせです。

別の作品はこのように撮影しました。
上は日本独特の装飾技法で蒔絵といいます。
漆で文様を描き、漆が乾固する前に金・銀粉を蒔きつけるのです。
下は漆塗面に沈金刀と呼ばれる刃物で模様を彫り、そこに漆を摺り込み、
金銀箔、金銀粉あるいは彩漆顔料を充填する沈金という技法です。

残念な事に現在印刷の途中のため、
製本したものがありませんので紹介できません。

日本には世界に誇るべき伝統工芸が多くあります。
特に漆芸は、日本を代表する工芸として、
芸術的にも、技術的にも、高度な発達をしてきました。
この古来より受け継がれてきた伝統を
印刷物として現代に生かす事が私たちに課せられた責務であると信じ、
漆芸の健全な発展に少しでも
印刷会社として寄与できればと思っております。

第32回 日本伝統漆芸展
2015年1月14日より27日まで
西武池袋本店6階アートギャラリーにて一般に公開されます。
日本が誇る伝統工芸を是非この機会に感じて下さい。