東京平版株式会社
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アーノルドローベル展

営業部の中島です
今回はお客様の紹介でアーノルドローベル展に行ってきました。

アーノルドローベルとはアメリカの絵本作家です。
私の携わっている仕事で彼の作品を数多く手掛けていますのでその関係でこの作家さんに興味を持ちました。
幼少の頃から重い病気にかかり学校を休みがちだった事で友達から孤立してしまった彼を救ったのは本でした。
大好きな本を読み物語の世界に没頭することで一人ぼっちの苦しみから逃れていたそうです。
そんな経験をして来たからこそ家族や友人たちと過ごす時間が
いかに幸せなものであるかを身にしみて感じていたのではないでしょうか。

そんな彼の代表作である「がまくんとかえるくん」を中心に様々な絵本の展示や
貴重な資料の数々、手書きの原本などが展示されていました。

彼の絵本の制作工程は
 ①お話づくり
 ②ページの割り付け
 ③スケッチ
 ④構成
 ⑤版を描き分ける
 ⑥表紙を作る

とこんな順になっていますが、注目は⑤の版の描き分けです。

当時のカラー印刷の技術では色ごとに刷版を分けなければならず、
それを作者本人がやっていたのには驚きでした。
この絵本は墨、緑、茶色の3色でできているため一つのイラストに対して3つの原画を用意し、
実際の色でなく黒色だけで描き、それらを重ねて印刷されて初めて色が現れるという仕組みです。
そのため残されている原画には色付きのものがありませんでした。
色彩感覚も優れていたようです。
私も自分の子供が大きくなってからは暫く絵本に目を通す機会も減ってしまいましたが
この展示会をきっかけに絵本の素晴らしさを再認識させられました。

絵本は子供のための本と思っていましたが大人になってみる絵本はまた景色が違い良いものです。
ローベルも人種や性別等に縛られず人間も動物も
みんなが支え合いながら幸せに生きる理想の世界を絵本の中に作ったのではないでしょうか。

興味のある方は是非彼の作品に触れてみてください。