東京平版株式会社
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「イサムノグチ 発見の道」生かし合う風景

こんにちは、メディアコンテンツ部
山岸です。
8月も終わり
暑さも残りますが、だんだん空気も変わってきました。
みなさま、季節の変わり目、お体にはお気をつけください。
会期は、残念ながら終わってしまいましたが、
とても印象に残った、展覧会があったので、紹介したいと思います、
東京都美術館で開催されていた
「イサムノグチ 発見の道」です。

 

 

彫刻作品と作品が生み出す、空間の調和が見所です。
20世紀を代表する芸術家、イサムノグチは、
彫刻家でありながら、プロダクトデザイン、公共の遊具のデザイン、
北海道モエレ沼公園など公園の設計を手掛け、
社会と調和する作品を作り続けた芸術家です。
日本の伝統や文化に影響を受け、
作品と作品が織りなす空間に、日本的な美意識が感じられます。
展示は3部構成になっていて、それぞれから、
違った側面の日本文化のエッセンスを感じ取れます。

 

 


ブロンズ彫刻では、
いくつものパーツが、組み合わされ、作られていて、
釘を使わない、日本の柱の工法、木組みを思わせます。
動きを止める固定を感じさせない表現は、
パーツ同士を、意識し生かし合うように感じられ、
周りにものびのびとしたユニークな空間が広がっています。
日本文化の諸相がみせる「軽さ」の側面。
折り紙などからインスピレーションを得た、金属彫刻です。

メッキの鋼板が素材となり、作品は、紙のようにフラットで、
フラットな作品の背後に伸びた影は、切り絵や、障子、影絵のようで
光から作り出される陰影の重なりは、魅力的です。

最終章は、
最晩年の石彫作品です。香川県の牟礼にある
晩年の、アトリエの空間のエッセンスを感じることができます。
石彫作品は、自然の石に対し、
手を加えつつ、石本来の要素を残す、独自の関わり方で表現されています。
映像作品の牟礼のアトリエにある、石彫が雨の中にある風景は、
雨と呼応しあって、さらに魅力的な空間に感じられました。

 

彫刻を取り囲む、空間や風景との関わりが、とても印象的で
異なるものを生かし合う、日本的な感覚を
改めて意識できる良い機会となりました。

 

東京都美術館
▶︎▶︎イサム・ノグチ 発見の道
Isamu Noguchi: Ways of Discovery
2021年4月24日(土)~8月29日(日)