日差しが暖かくなり、梅の見頃がもう間もなくですね。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
東京平版のデザイナー、藤井です。
昨年の秋ごろ、会社の男性更衣室の隅にボロッボロの椅子があることに気づきました。
「汚いし、処分しよう」と思って近付いて見てみたところ、
「ボロいけど、なんだか気品のある形をしてる…」ことに気づきました。
座り心地もよく「ひょっとすると良い椅子なのでは?」と思い座面の裏を見ると、、、
「え!? 天童木工製じゃん!」
天童木工は1940年から続く山形県天童市にある家具メーカーで、
成形合板技術を用いた「美しく繊細な曲線」を持った高級木製家具が主力商品です。
さらに調べてみるとこの椅子は
「剣持勇」デザインの「KABUTO(カブトチェア)」であることが判明!
1960年代に、日本を代表するインテリアデザイナーの手によって生まれた名作だったのです。
「このまま捨ててしまうのは惜しい」と思い、会社に許可を貰って譲り受けました。
そして、椅子の張り替え業者さんに下の写真画像を送り、見積りを依頼したところ、、、
「!!!!! 10万円 !!!!!!」
カブトチェアは状態にもよりますが、中古市場で3〜5万円で取引されている様子、、、。
会社から譲り受けた手前、「やっぱりいりません」とも言えず。
「よし、自分で直そう!」
と思い直し、ネットで情報収集開始。
修理方法と必要な材料に目星を付けて、DIYの味方、東急ハンズに向かいました。
①座面の裏にあるボルトを外してキャスター部分と分離させる
②表面の合皮をめくり、土台に打ち付けてあるステープラー(ホッチキス)針を外す。
③痛んだウレタンフォームを切り取り、新品と取り替えてボンドで貼付ける。
④糊付きの合皮を、ウレタンフォームと座板を巻き込むようにして貼り、ステープラーで止める(写真を撮り忘れ)
⑤裏面の合皮をステープラーの針が隠れるようにして鋲で止める。
⑥完成!
経費はおよそ2,000円、作業時間は90分でした。
正直なところ、そんなにキレイな仕上がりではありませんが、
転売ではなく自分で使用することが目的なので、良しとします。
それよりも
ゴミとして捨てられる所だった昭和の名品を修復できた事の喜びでいっぱいです。
初めての事でも「調べ、想像し、実行する」
東京平版メディアコンテンツ部のモットーです。
藤井