今回は、印刷物の仕上げに、
PP(Poly-Propyleneフィルム)貼り加工がある時の色調補正についてのお話です。
PP加工は、書籍のカバー等で、
紙の擦れによる汚れ防止の為や、表面に艶のある光沢をつけて高級感を出すためにるためによく用いられます。
PP加工を行うと表面の平滑度が上がり、
加工を行う前の仕上がりと比べて
ハイライトから中間調にかけて濃度が上がって見えてしまうので
とても注意が必要です。
そこで今回、仕上がりをPP加工前の状態に
可能な限り近づけるためにPP加工をした印刷物から
ICCプロファイルを作成して色調補正を行ってみました。
比較のため、フォトショップで
PP加工のカーブ処理を行ったものとの比較になります。
見た目では違いが良くわからないので
最終ジャッジはIT8チャートで処理後のデータを計測して
色差を出してみました。
⊿E値は数値が低いほど色差が少ないことを意味します。
上記の通り、結果は、
ICCプロファイルを使用した色調補正の勝利となりました。
平均⊿E値で3.24もあったんですね!
PP加工には、光沢感や深みが出て非常にいい面があるのですが、仕上がりのイメージをPP加工前の状態にしたい場合プロファイルによる色調補正は非常に有効で有ることがわかりました。
PP加工には、フィルムの種類(光沢、マット)や
厚みの違いがあるので今回、作ったプロファイルを使った結果が
全てのPP加工処理に使えるものではありませんが、
今後、少しずつバリエーションを増やしていく予定です。
PP加工処理後の色調補正に困ったら
是非東京平版にご相談ください。
(堅持)