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イメージの魔術師 マグリット

東京平版D-Room中根です。
もうすぐ待ちに待ったゴールデンウィークですね!
それに合わせて、面白そうな展覧会が続々と開催されておりますが
先日一足早く開催されていた「マグリット展@国立新美術館」に
行って参りましたので、そのことを本日のブログには書かせていただきますね。

ルネ・マグリット(1898ー1967)は、
20世紀美術のもっとも重要な運動の一つである
シュルレアリスムを代表する作家です。
マグリットは、「空中に浮かぶ岩」「鳥の形に切り抜かれた空」
「指の生えた靴」といった、現実では起こりえない現象や、
混じり得ないモチーフ同士組み合わせて描き、
それに更に、不可思議な題名をわざわざ付けますから、
絵を見たものは戸惑い、考え込んでしまいます。

空だけが昼間の風景だったり…

巨大な岩が浮いてたり…

この作風は、作者の夢や無意識の世界を描く
他のシュルレアリスムの作家とは少し違う性質ですね。

私とマグリットの出合いは、
高校入学祝いとして、親戚の叔母さまから
「みーちゃん(私)はたぶんこういうのが好きだと思うから」と、
マグリットの画集をプレゼントしていただいた時でした。
当時は、「不気味でこわいし、わけが分からない」といった感想でしたが
のちのち、卒業制作のテーマとして「見ていて不可解なきもちになるもの」
というのを選び、シュルレアリスムやキュビズムなどについて
調べるまでになりましたので、幼いころの私を見て
その片鱗(?)を見抜いていた叔母さまは観察力が鋭いな!
と今回のマグリット展をきっかけに、そんなことがあったのを思い出しました。

この展覧会で知ったのですが、
マグリットは、作品が完成すると人を何名か呼んで、
みんなでその作品のタイトルを考えるということをしていたそうです。
そのため、絵によってはカンバスの裏側に
十数個のタイトルの候補が書いてあるものもあります。
私はそのエピソードを聞いて
「この絵を見た人が最も混乱するタイトルをつけた人が優勝!」みたいな、
大喜利のようなことを内輪でやってたのしんでいたのではないかしら…?
と思ったのですが(※あくまで、個人的な想像です)
受け手を混乱させるものを実験的に作成したり、
(きっとその反応を楽しんでいたのではないかと私は思うのですが)
研究者や学者ののような知的な一面ももちあわせた、
ユーモアのあるすてきな方だったんだろう、、と
彼の人柄を想像しながら絵を鑑賞しました。

さらに、これもこの展示をきっかけに気がついたのですが、
どうやら自分は、マグリットしかりシャガールしかり
プロダクトや、舞台美術のデザインなど
完全にファインアートの人でない人の作品ばかり
好んでいるということに気がつきました。
(画集をくれた叔母さまにそのことを話したら『わかる~!』と言ってました)

端からみると似た様なことをやってるようにも見えますが
やっぱりファインアートをやる人と、
(当たり前のことなのですが)
デザインをやる人には、明確な意識と感覚の違いがあるのだなと、
ここでまた再認識することになりました。
(こういうのはなんともおこがましいですが、多分私もデザインを選んだので、
感覚がより近いほうの人の作品が好きなんだと思います)

ぜひ皆さんも詩的で神秘的、静謐な中にも不穏でセンセーショナルな
マグリットワールドに迷い込んでみてはいかがでしょうか?
なお、この手の作風の方の展覧会は自分一人では
なかなか解釈することが困難ですので
私はいつも音声ガイド必須です。。笑

マグリット展@国立新美術館 6月29日まで開催中です。

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